避難所?避難場所?

こんにちは!防災小町です。

防災に関して、まだ多くの方が間違って覚えておられることがあります。
その中の一つをまとめてみました。

タカシ
避難所と避難場所の違いを教えてください。

避難所避難場所
言葉がよく似ていますが、意味は全く違います。
この2つは、以前は特に区分されていませんでした。
ですが、2011年の東日本大震災で避難所ではなく避難場所に逃げて津波の犠牲になって多くの人が亡くなられました。
このような反省や教訓を生かし、
火災や津波など、その場にとどまっていると命を落とす危険がある場合に駆け込む場所避難場所
自宅が水害で流されたり火災や倒壊で住めなくなた方が、一時的な生活をする所避難所
と明確に区分されました。

避難所
体育館など屋内に居住するスペースが確保できる公共施設が指定されることが多い。
●被災者を一時的に受け入れ、保護する施設
●ある程度の人員を屋内に収容できる
●学校や公民館、体育館などが指定されている
●食料や生活物資などを備蓄している
●避難者が自主的に運営するのが理想とされる

避難場所
小さな公園 いっとき避難場所
大きな公園 広域避難避難場所
他にも津波避難場所や津波避難ビルなどが火災や津波から身を守るための一時滞在場所として指定されています。
●火災や津波から身を守るための一時滞在場所
●公園や緑地、学校の校庭など
●生活のための物資は備蓄されていない

また、周囲に海や河川、危険な崖などが近くにない学校や公民館は、避難場所と避難場所が同一の施設が指定されている場合があります。

避難マーク(災害避難誘導標識)
避難場所等がどの災害に対応しているか誰でもわかるように日本工業規格(JIS)に災害種別の図記号(JIS Z8210)を追加しました。また、日本全国どこでも同じ表示となるようJISにおいて、この図記号を使った表示方法に係る「災害種別避難誘導標識システム(JIS Z9098)」を平成28年3月22日付で制定されました。





では、これらの避難マークを実際には下の図のようになっています。

地域によって多少標記のしかた(縦だったり横だったり)が違いますが、意味は同じです。

避難を迅速かつ的確にするにはハザードマップで自分の住んでいる災害リスクを知ることです。
詳しくは、
防災グッズを揃える前に(その1:被害を知る)
をご覧ください。

皆さんが住むそれぞれの地域に起こると予想される災害を災害ごとにハザードマップは作られています。
全国のハザードマップを見た小町が気になるハザードマップをご紹介いたします。

神奈川県川崎市中原区の洪水浸水想定区域(多摩川水系)のハザードマップ

画像をクリックして拡大表示してみてください。
避難所に指定されている小中学校の横に数字の入った緑色の〇印があります。
これは何を意味するのでしょうか?



答えは、その数字以下の階まで水が来る。なので、数字以上の階を避難所として利用できるという意味です。

ですので、この地域の方々は河川が氾濫する前に避難をしないと命が助からないということです。
台風で水没した武蔵小杉の例でもあるように、これから引越しや家を買うなどされる場合は、絶対にハザードマップを見て検討してください。

避難所と避難場所の意味が分かっていない悪い例
某市の公園で見かけました看板をご紹介いたします。

お分かりいただけましたでしょうか?
黄色い枠の部分『いっとき避難所』の部分です。
マークは避難場所、表記は避難所。混乱する原因です。
これを設置した町内会は近くの大学生と共同で防災に取り組んでおられます。
ですが、避難所と避難場所をよく理解していないことや、
本当にその看板がOKなのかチェックしていないことなどが原因です。
一人の担当者に任せず、みんなで防災をやるのが理想的です。

防災小町
株式会社防災小町では、地域の防災・減災対策に特化しております。小さいことでも構いませんので、防災のプロにご相談ください。

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引用・参考:コスミック出版「最善最強の防災ガイドブック」