脱ダムをしなければ、平成2年7月豪雨での球磨川の氾濫の被害は防げたのでしょうか?
また、ダムに頼らない治水とは?
今回は小町が一方的にお話しいたします。

球磨川は九州随一の暴れ川と言われていました。

当時、県知事選挙の争点になりましたし、あるいは衆議院選挙や参議院選挙でも最大の争点でした。
右:蒲島熊本県知事 左:株式会社防災小町代表取締役の田上

球磨川周辺は、衆議院選挙ですと熊本5区というところなんですが、当時唯一の争点だったのが川辺川ダムでした。

1990年代から2000年代にかけて、野党(旧民主党系・共産党含む)がダム反対!脱ダムと声を揃えて言っていました。

実は、球磨川の支流の川辺川で大きな鮎(尺鮎)がとれており、「アユを殺すな!脱ダムだ!」というスローガンをやっていました。

また、ダムに沈む五木村をダム建設に伴い新五木村として高台に移しました。何時でもダムを作れるように関連する取り付け道路なども完成していました。

なのに脱ダムをマニュフェストにしていた現職の蒲島知事が当選した為に、完全に息の根を止められました。

政治案件であったこと、当時の流行りとしてダムに頼らない、鮎を殺さない治水と言うのが当時流行っていました。

ダム無しで治水をやるのであれば、徹底的に川沿いの居住域を制限しないといけません。

江戸時代は当然ながらダムを作る技術な無い為、ダム無し治水をやっていました。なので、江戸時代並みに可住域を狭くしなければなりません。

そもそも治水とは、どういうことなのでしょうか?

洪水が発生しにくいように、1つは川底をさらう。後は川の両端に人間の住まない、溢れたら溢れっぱなしの土地を用意することです。

例えば、東京都内だと河川の近くにゴルフの打ちっ放しや野球場があるように、人が住めない場所があります。増水すると直ぐに水に浸かります。なので、ある程度水に浸かってもよい土地をかなり広めに取らないといけません。

あと、球磨川は物凄く蛇行していますので、これを少しずつ整備していくだけでも治水が出来ます。川に曲線がある所が遠心力により川の水が増えると曲がっている所で水が溢れやすくなりますので、川の流れを変えるのも治水をすることでは重要です。

当時のことをよく知る方から聞いたことによりますと、球磨川は以前、ダムの制御を間違ってしまい人吉市のエリアがダムによる洪水被害にあったので、ダム建設を反対する方が多かったようです。なので人吉市がダム反対の拠点になっていました。

人吉市は、鮎とか球磨川下りなどの川遊びがあり、温泉もありますので、全国から観光客が多く訪れています。皆様も新型コロナウイルスや洪水被害復興などが落ち着きましたら、一度訪れてみませんか?

次回は、何故人が住めない場所に人が住めるようになるのか?を深堀したいと思います。
