東京タワーの下で

東京タワーの下で

私は東京タワーの下で彼女と待ち合わせていた。彼女は私の大学の同級生で、今日は初めてのデートだった。私は彼女に想いを寄せていたが、なかなか告白できなかった。今日こそは勇気を出して、彼女に気持ちを伝えようと思っていた。

私は東京タワーの入り口に着いたが、彼女の姿は見えなかった。私はスマホを見たが、彼女からの連絡もなかった。もしかしたら、遅れているのかもしれないと思って、しばらく待ってみた。

すると、突然、周りで悲鳴が聞こえた。私は驚いて周りを見渡したが、信じられない光景が目に飛び込んできた。人々が血まみれになって倒れている。そして、それを襲っているのは、人間ではない何かだった。ゾンビだ。

私は恐怖に震えながら、逃げようとしたが、ゾンビはどんどん増えてきて、出口も塞がれてしまった。私はどうしようもなくなって、東京タワーの中に駆け込んだ。そこにはまだ生き残った人々が数人いたが、ゾンビも追ってきて、次々と噛み殺されていった。

私は必死に階段を上って、展望台に辿り着いた。そこには誰もいなかった。私は窓から外を見たが、街中はゾンビで溢れていた。どこにも逃げ場はなかった。

私は絶望して泣き出した。こんな日に限って、彼女とデートすることになったのに。彼女はどこにいるんだろう。彼女は無事なんだろうか。彼女に会いたい。彼女に告白したかった。

そんな時、スマホが鳴った。着信画面には彼女の名前が表示されていた。私は驚いてスマホを取った。

「もしもし」

「あ、やっと繋がった」

彼女の声だった。私は嬉しくて涙が出そうになった。

「大丈夫?どこにいるの?」

「大丈夫じゃないよ。ゾンビだらけだよ。私、新宿駅にいるんだけど、電車も止まってるし、どこにも行けないよ」

「新宿駅?それじゃあ、すごく遠いじゃないか」

「うん。でもね、あなたに会いたくて、電話したの」

「俺も会いたいよ。俺は東京タワーにいるんだけど」

「東京タワー?それじゃあ、すごく近いじゃないか」

「近い?何言ってるの?新宿駅と東京タワーは全然近くないよ」

「そうじゃなくてさ。あなたの心と私の心は近いってこと」

「え?」

「実はね、あなたのことが好きなんだ。今日は告白しようと思ってたんだけど、こんなことになっちゃって」

「本当?俺も好きだよ。俺も告白しようと思ってたんだ」

「本当?嘘じゃない?」

「嘘じゃないよ。本当だよ」

「じゃあ、約束して。生きて会おうね」

「うん、約束する。生きて会おうね」

「ありがとう。じゃあ、またね。愛してるよ」

「俺も愛してるよ」

そう言って、電話を切った。私はスマホを握りしめた。彼女の言葉が胸に響いた。生きて会おうね。そうだ、生きて会おう。私は決心した。ゾンビに負けないで、彼女に会いに行こう。

私は展望台から降りて、ゾンビと戦う準備をした。私は武器を手に取った。それは東京タワーのお土産で売っていたミニチュアの東京タワーだった。

私はゾンビに向かって叫んだ。

「俺は彼女に会いに行くんだ!お前らに邪魔させない!」

そして、私は東京タワーの下で、ゾンビと戦い始めた。

 

おわり

この小説はフィクションです。実在の人物や団体とは関係ありません。