【ぬりえ】地震が来たら机の下はダメなの?

 

こんにちは!防災小町です。

 

地震が来たら「机の下に隠れる」のは本当に正しいのでしょうか?

学校の避難訓練では校内放送が緊急放送のサイレンを鳴らし、

「避難訓練、地震です。机の下に隠れましょう」とアナウンスします。

生徒がいっせいに机の下に隠れるという訓練です。

しかし、地震発生時に「机の下に隠れる」というのは、本当に正しいのでしょうか?

※PCの方は上記画像を右クリックして、さらに左クリックして画像を保存するとダウンロードできます。

 

学校の避難訓練において、全国共通のマニュアルがあるわけではありません。

各学校がその実情に合わせて防災マニュアルを作成するものと法律で定められています。

※学校保健安全法第29条

 

そのため必ずしも全国の生徒が同じ訓練を受けたわけではないのですが、

どうやら2011年3月11日の東日本大震災が起きるまでは、

このような「机の下に隠れる」避難訓練が多くの学校で行われてました。

※参考=矢崎良明「学校における地震防災指導・防災管理の現状と課題」より

 

東日本大震災で被災した学校の調査等を受けて、

文部科学省は2012年3月に、

「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」を作成しました。

第1章において、具体的に次のように指摘しています。

 

校内放送で「地震が発生したので机の下に入りなさい」と

指示することによって避難行動を促す訓練が、

実際に地震が発生したときの危機管理に見合っていないことが言えます。

 

ibarakishimbun1  机の下、地震から身守れ 水戸で一斉訓練に15万人

※窓側の生徒はガラスの破片が襲います。本当に安全なのでしょうか?

 

では、「机の下に隠れる」という行動は誤っていると指摘しているのかというと、

そうではありません。同書の第3章において初期対応として、

「教室などの机のある場所では、机の下に隠れる」と明示してあります。

①地震の揺れで停電し校内放送が流れない可能性がある。

②校内放送よりも前に地震の揺れを察知した段階で素早く行動をとる訓練が必要である。

③教室内以外を想定した訓練が必要である――

ということが、上記の避難行動が実際に「見合っていない」としている理由であって、

教室内で「机の下に隠れる」こと自体は、正しいとしているわけです。

 

ところが、この「机の下に隠れる」という避難行動は、

多くの識者から批判されています。

一例を挙げると、一般社団法人日本防災教育振興中央会の

仲西宏之・佐藤和彦共著の『震度7の生存確率』では、

「すぐに机の下に身を隠す」行動は、震度7のような強い地震の場合、

机ごと飛ばされる可能性がありケガをする可能性があるため勧めていません。

 

そもそもほとんどの学校では耐震補強が進んでおり、

教室の天井落下や照明器具の落下の可能性は低下しているとも指摘しています。

 

例えば非構造部材の耐震化がほぼ100%完了している徳島県の小中学校では、

机の下に隠れるのは「意味がない」としています。

防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏は次のように指摘しています。

「机の下に身を隠す」というのも間違いではありません。

 

例えば、それしか方法がない場合、ほかに避難する余裕がない場合、

極めて耐震性の高い建物の中にいた場合などは

「机の下などに身を隠す」行動で良いと思います。

 

しかし、どんな状況であっても「机の下に身を隠す」が

正しいと決めつけるのはかえって危険です。

 

古い建物だと倒壊する可能性があります、

また倒壊しないまでも天井が落下したり、

ドアが変形して閉じ込められたりした場合に、

万一火災が発生したりガス漏れが発生した場合、

机の下に身を隠していたら逃げられなくなる恐れがあるからです。

 

地震時の退避行動は建物が古いか新しいか、構造、地盤地形、

いる場所、室内の転倒物等の有無などの状況によってすべて異なります。

※出典 http://www.bo-sai.co.jp/jisinkokoroe.html

 

 

弊社では、これまでの押し付け防災から自分で考える防災を

講演会や実技等を通じて『防災力』を高める話や指導を

おこなっております。

 

〇〇すれば安全、地震が来たら○○しましょう!など、

その行動をすれば命が助かると教える行政や教育者、防災講師が数多くおります。

 

とくに最近日本中に流行っている

『命を守るダンゴムシのポーズ』や『シェイクアウト』。

株式会社防災小町 ぼうさいこまち 防災小町 防災講習

命を守るダンゴムシのポーズでは命は守れません。

 

特に驚いたのが、弾道ミサイル対応で命を守るダンゴムシのポーズをしていた

学校があるのを新聞で読んだことでした。

今では本当に、猫も杓子もダンゴムシのポーズなんですね……。

 

前述でもある防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏が話されたとおり、

地震時の退避行動は建物が古いか新しいか、構造、地盤地形、

いる場所、室内の転倒物等の有無などの状況によってすべて異なります。

ダンゴムシのポーズでは周りが見えません。

 

子ども達に何も考えさせないまま押し付ける防災は、

本当に防災なのでしょうか?

自分で考え、自分で判断する防災力を子どものうちから高め、

あらゆる災害に対応できるようにすることが、

本当の防災です。

 

Yasunori Hada 抜き打ち避難訓練(無予告)公開用

山梨大学の秦康範准教授が山梨県内の小学校で2017年3月に実施しました。

事前に子ども達に知らせない抜き打ち(無予告)の地震避難訓練の映像です。

校庭に居た100人弱の児童の約9割は、緊急地震速報のアラーム音を聞いて、

一斉に校舎の中に向かいました。

 

動画を見られてどう思われましたか?

グランドが一番安全なのに、

教育者の押し付け防災による生徒の命を守れない防災教育の結果です。

学校防災は重要です。

 

 

※防災意識を育てるWEBマガジンより一部引用