横浜市に住む女子高生、小松みくは、他の同級生とは少し違った趣味を持っている。それは「防災」。小松さんは、小さい頃に地震で怖い思いをして以来、ずっと防災について興味を持ってきた。地震や台風など、いつ何が起こるかわからない災害に備えるため、彼女は独自の「防災ノート」を作り、そのノートには自分が調べた知識や、オリジナルの防災術がぎっしりと詰まっていた。
ある日、小松さんは通学路の途中で、近所の幼稚園の前を通りかかった。園の先生たちが、園庭で子供たちと遊んでいるのを見かけたが、その中の一人、園長先生が困った顔をしていることに気がついた。小松さんは思い切って声をかけた。
「園長先生、どうしたんですか?」
園長先生は少し驚きながら、「実はね、この幼稚園では防災訓練を行いたいんだけど、どうやって小さな子供たちに教えればいいか悩んでいるのよ。地震や火災の避難方法を教えるのは難しくて…」
小松さんは少し考え、防災ノートを広げた。子供たちにもわかりやすい方法がないか、ページをめくりながらアイデアを探す。
「そうだ、ゲーム形式でやるのはどうですか?避難訓練を『冒険ごっこ』にして、子供たちにヒーロー役を演じてもらうんです。地震が来たら安全な場所に隠れるとか、火事のときには鼻と口を押さえて逃げるとか、みんなが楽しく学べるようにすればいいと思います。」
園長先生はそのアイデアに目を輝かせた。「それなら、子供たちも楽しみながら覚えられそうね!」
小松さんはさらに具体的なシナリオや遊び方の例を挙げ、園長先生にアドバイスをした。後日、幼稚園では「防災冒険ごっこ」が行われ、子供たちはヒーロー気分で訓練に参加したという。園長先生からは「みんな楽しんで学べたわ、ありがとう!」というお礼の手紙が届いた。
小松さんはその手紙を読みながら、子供たちにも防災の大切さを伝えられたことに満足感を覚えた。
防災ガール、小松みくの秘密ノートは、今日も新しいアイデアでいっぱいになっていく。彼女の小さな行動が、横浜の街を少しずつ安心な場所に変えていることを、小松さん自身はまだ知らないのかもしれない。