横浜市に住む女子高生、小松みくは、他の同級生とは少し違った趣味を持っている。
それは「防災」。
小松さんは、小さい頃に地震で怖い思いをして以来、ずっと防災について興味を持ってきた。
地震や台風など、いつ何が起こるかわからない災害に備えるため、彼女は独自の「防災ノート」を作り、そのノートには自分が調べた知識や、オリジナルの防災術がぎっしりと詰まっていた。
ある日、小松さんは地元の商店街を歩いていた。
ふと、近くにある花屋の店主、田中さんが店頭で頭を抱えているのを見かけた。
「田中さん、どうかしましたか?」
と小松さんが声をかけると、田中さんは困った顔で
「台風が近づいてるけど、店の花やガラスが風でどうなるか心配でね…防災対策が足りてるのかも分からなくて」
と言った。
小松さんは少し考え、すぐに防災ノートを広げた。
「まずは、ガラスが割れるのを防ぐために、ガラス飛散防止フィルムを貼るのが効果的です」
小松さんはフィルムの貼り方を簡単に説明した。
「風で飛ばされそうなものはすべて店内にしまって、花は棚ごと壁に固定しておけば安心ですね。それから、ドアや窓に強風が直接当たらないように、厚めの布をカーテン代わりにすると良いです」
田中さんは
「なるほど、そんな工夫で被害を減らせるのか」
と感心していた。
次に、小松さんは花屋の外にも目を向けた。
「外に置いてあるプランターや看板は、飛ばされると危ないので、必ず重しをつけるか、店内にしまっておいてください」
田中さんはすぐにその準備を始め、小松さんのアドバイスを実行した。
数日後、台風が無事に過ぎ去り、田中さんから小松さんに感謝の手紙が届いた。
「おかげでお店の花も無事で、お客さんも安心して来てくれています」
と書かれていた。
防災ガール、小松みくの秘密ノートは、今日も新しいアイデアでいっぱいになっていく。
彼女の小さな行動が、横浜の街を少しずつ安心な場所に変えていることを、小松さん自身はまだ知らないのかもしれない。