横浜市に住む女子高生、小松みくは、他の同級生とは少し違った趣味を持っている。
それは「防災」。
小松さんは、小さい頃に地震で怖い思いをして以来、ずっと防災について興味を持ってきた。
地震や台風など、いつ何が起こるかわからない災害に備えるため、彼女は独自の「防災ノート」を作り、そのノートには自分が調べた知識や、オリジナルの防災術がぎっしりと詰まっていた。
ある放課後、小松さんは学校の体育館にいた。
そこで、体育の先生からの依頼で防災訓練のアドバイスを頼まれていた。
「最近、体育館に避難することを想定して訓練をするんだけど、何かアイデアはないかな?」
と先生が相談してきたのだ。
小松さんは少し考え、防災ノートを開いた。
「まず、避難所になる体育館では、物資の備蓄と配置が重要です」
小松さんは、ノートに書かれた避難所のレイアウト図を見せた。
「水や食料は一番取り出しやすい場所に置いて、みんなが必要なときにすぐに使えるようにしましょう。それから、人数が多い場合は、仕切りを使ってプライバシーを確保できる空間を作ると良いです」
体育の先生は頷きながら、
「なるほど、避難所でもプライバシーの確保は重要だよね」
と感心していた。
さらに、小松さんは
「訓練のときには、実際に避難用の物資を使ってみることが大切です。毛布の配り方やトイレの使い方も、シミュレーションしておくと、いざというときに慌てずに対応できると思います」
とアドバイスを加えた。
訓練の日、体育館での避難シミュレーションは大成功だった。
生徒たちは実際の避難手順を体験し、どの物資がどこにあるかも確認できたため、皆がスムーズに動くことができた。
訓練後、先生や生徒たちから「分かりやすくて助かった!」と感謝の声が上がった。
防災ガール、小松みくの秘密ノートは、今日も新しいアイデアでいっぱいになっていく。
彼女の小さな行動が、横浜の街を少しずつ安心な場所に変えていることを、小松さん自身はまだ知らないのかもしれない。