災害関連死

災害関連死とは?

災害関連死とは、災害そのものによる直接的な死に至らないものの、災害によって引き起こされた二次的な要因によって死亡した人を意味します。

具体的には、災害によるストレスや心身への負担、避難所生活の困難さ、医療体制の逼迫などによって、心疾患や脳卒中、感染症などの病気や、自殺などの非自然死が原因となる死が含まれます。

また、地震によって発生した災害関連死のことを震災関連死といいます。

過去の災害による災害関連死の状況

東日本大震災

死者・行方不明者 18,433名
警察庁:平成30年6月8日現在
震災関連死 3,723名
復興庁:東日本大震災における震災関連死の死者数(平成31年3月31日)

熊本地震

死者・行方不明者 220名
震災関連死 50名
熊本県「平成28年熊本地震に係る被害状況について【第288報】(平成31年3月31日)

北海道胆振地震

死者・行方不明者 41名
震災関連死 3名

災害関連死の原因

災害関連死の原因は、大きく分けて3つあります。

精神的要因

災害による強いストレスや不安、恐怖が原因で、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患を発症し、自殺や他殺、心臓病などの死に至ることがあります。

身体的要因

災害による負傷や病気が原因で、治療が遅れたり、十分な治療を受けられなかったりして、死に至ることがあります。

社会的要因

災害による生活環境の変化や経済的な困窮が原因で、健康状態が悪化し、死に至ることがあります。

具体的な死因

・処方薬が摂取できなかったことによる持病の悪化
・ストレスによる身体の異常
・不衛生な環境による体調の悪化
・栄養不足や食欲不振による衰弱死
・車中泊中の静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)
・将来を悲観した自殺
・仮設住宅で孤独感にさいなまれ、過度の飲酒をしたことによる肝硬変
・災害復旧作業中の過労死
・地震による疲労が原因の事故死

災害関連死の対策

災害関連死の対策としては、以下のようなものが挙げられます。

災害によるストレスや不安の軽減

災害後に、精神科医や臨床心理士によるカウンセリングやセラピーを提供するなどの対策が必要です。

災害による負傷や病気の早期発見・早期治療

災害で負傷した人や病気になった人に対して、迅速な治療を提供することが重要です。

災害後の生活環境や経済状況の改善

災害で家や職場を失った人に対して、住宅や職業の再建支援を行うなどの対策が必要です。

まとめ

災害関連死は、災害の悲惨さをさらに増幅させる問題です。
災害が発生した際には、被災者の精神的、身体的、社会的状況に配慮し、早期の支援をすることが大切です。