防災散歩
避難行動のリハーサルである防災散歩について。
どうぞ、最後まで読んでみてください。
目次
1 はじめに
2 準備
3 散歩(初級)
4 散歩(中級)
5 散歩(上級)
6 おわりに
の6つの項目についてとなります。
1 はじめに
散歩には、体力維持やダイエット、気分転換などの効果があります。
私も散歩途中で出会ったネコの写真を撮るのが生きがいなんですね。
最近は、テレビやラジオで「防災散歩」という言葉もよく聞くようになりました。
防災散歩ってなに?と思われる方もおられますので、簡単に説明しますと
・自宅から避難先(避難所・避難場所など)まで移動ができるか。
・準備した防災リュック(非常用持ち出し袋など)を持っての移動ができるか。
・夜間や地震等で壁などが壊れていた場合、遠回りの経路で夜間経路でも移動できるか。
・避難所まで移動が出来ない場合、代わりとなる場所があるかどうか。
を確認することを言います。
防災散歩はとっても身近な防災訓練です。
たまにはいつもとちょっぴり目線を変えて、お散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
防災散歩の効果
・自身の防災力を高めることができる
・いざというときに慌てず安全に避難することができる
・家族と一緒に災害について学ぶことができる
・ウオーキングを兼ねるので「防災+運動」で一石二鳥!
2 準備
ただ歩くのは、ただの散歩。
防災散歩は、自宅(学校・会社など)から避難先まで安全に歩くことが出来るのを確認しながら歩くこと。
ですが、いきなり散歩するのではなく、何事にも事前の準備が必要です。
1 ハザードマップなどで避難先や経路を確認する
川の氾濫や浸水、土砂災害、大地震や津波、水害、火山噴など。
ほぼ毎年、大災害が相次ぐ日本では、ハザードマップで自宅や学校、職場周辺の危険を知ることです。
これは、防災を行うにあたっての最優先事項です。
地域にどのような危険があるのか、事前に知っているか知らないかでは大きな違いがあります。
ハザードマップを事前に確認し、災害時の行動をあらかじめ考えておくことで、事前の備えや、いざというときの適切な行動につなげることができるからです。
ハザードマップとは?
地域の危険を知るために、参考にできるのが「ハザードマップ」です。
主に市区町村などの自治体が作り、災害が想定されている場所を地図で色分けして示しています。
洪水・津波・高潮・など水害については、リスクがあるほとんどの市区町村で公開されます。また。
地域の事情に応じて「地震」「火山」などのマップもあります。
【災害リスクの情報】
自宅周辺の地域の災害リスクは、下記を参考に情報を収集できます。
風水害・土砂災害リスク
風水害対策(内閣府防災担当)
https://www.bousai.go.jp/fusuigai/index.html
洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/river/bousai/main/saigai/tisiki/syozaiti/
都道府県が公開している土砂災害警戒情報等の防災情報(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/river/sabo/sabo_ken_link/index.html
地震リスク
地震に関する評価(地震調査研究推進本部)
http://www.jishin.go.jp/evaluation/
地震・津波対策(内閣府防災担当)
https://www.bousai.go.jp/jishin/index.html
都市圏活断層図(国土地理院)
http://www1.gsi.go.jp/geowww/bousai/menu.html
J-SHIS 地震ハザードステーション(国立研究開発法人防災科学技術研究所)
http://www.j-shis.bosai.go.jp/
火山リスク
火山対策(内閣府防災担当)
https://www.bousai.go.jp/kazan/index.html
あと、身近に手に入れられるハザードマップ(紙媒体)は最寄りの役所等で無料でもらえます。
また、検索サイトで、「(自治体名) ハザードマップ」と検索すると、多くの場合、調べることができます。
ハザードマップポータルサイト(国土交通省)
https://disaportal.gsi.go.jp/
のコンテンツに「わがまちハザードマップ」というものがあります。
見たい市区町村を選択すると、自治体公表のマップが掲載されているホームページが表示されます。
種類は、「洪水」「内水」「高潮」「津波」「土砂災害」「火山」、それに「地震防災・危険度」です。
「地震防災・危険度」では地域の揺れやすさや、液状化などの地盤被害、火災被害の危険がある場所を示したマップもあり、自分の地域の地震リスクを知ることができます。
あと、災害の種類によって、ハザードマップが公表されていない自治体もあるため、知りたい情報がない場合は、自治体に直接たずねてみてください。
そのほかにも、「重ねるハザードマップ」というコンテンツもあります。
住所を入力して、見たい場所を表示したあと、災害の種類を選ぶと、危険性がある場所が地図上に色づけされます。
種類は、「洪水」と「土砂災害」、「津波」、それに道路の冠水が想定される場所などの「道路防災情報」です。
被害が想定される場所をクリックすると想定される浸水の深さなども表示されます。
ハザードマップの見方・使い方は、次回以降に説明いたします。
これらの情報を確認して、自宅周辺などの災害リスクを確認します。
次に、避難する際に通るルートを確認します。
浸水や土砂災害のリスクが箇所は、ハザードマップで事前に確認できますので、そこを避けるようにしましょう。
2 防災リュックを準備する
暴風雨等による事前避難する場合や大地震で自宅に留まれない場合(自宅倒壊・火災・津波など)には避難所などに向かいます。
その時に、手ぶらで避難した場合は、その後の避難生活に支障が出たりします。
着替えがなかったり、持病の薬がなかったり、おくすり手帳がないので直ぐに処方してもらえなかったりと自分の命にかかわる場合もあります。
ですので、事前に防災リュック(非常用持ち出し袋など)を準備し、避難する際は特定の場合を除き、防災リュックを持って避難します。
防災リュックの中身については、人それぞれです。詳しくは、次回以降に説明いたします。
3 散歩(初級)
自宅などの周辺や避難経路の災害リスクを確認したら、まずは避難先まで歩いてみましょう。
今回は、手軽に散歩するために防災リュックは自宅に置いておきます。
一人暮らしの方は一人で。家族のおられる方が複数人で。特に小さなお子様いる方は一緒に歩いてみましょう。
お天気の良い昼間に行います。
スマホでハザードマップや地図アプリなどを見ながらも良いかもしれませんが、できれば紙媒体のハザードマップや地図(自作も可)を持って、実際の危険個所を記入しながら散歩しましょう。
チェックする箇所
倒れてくるもの・落ちてくるもの・崩れてくるもの
・ブロック塀
・自販機
・擁壁のない崖
・2階のエアコンの室外機
・看板(古くなくても注意が必要)
・古い空き家などの建物
・瓦
など
大雨で水没するもの(浸水して足元が不安定な時に落ちそうな場所がないかどうか)
・マンホール
・側溝(用水路)
・アンダーパス
など
大地震後の避難ルート・水害で避難するルートを別々に確認します。
水害、特に台風や大雨などは、地震とは違い天気予報で事前に予想が可能ですので、危険な地域にお住まいの方は早めの避難が必要です。
防災散歩から帰ったら、再度地図を見て避難経路を確認しましょう。
4 散歩(中級)
避難経路の確認が終わりましたら、次の防災散歩では、防災リュックを背負って避難先まで歩いてみましょう。
実際に防災リュックを背負って歩くことによって、「防災リュックが重かった。これでは走って逃げれない・・・」「もう少し入れても大丈夫!かも」などを確かめることができます。
無理なく防災リュックを背負って避難できるかを確認します。
よく見る銀色ギラギラの防災リュック(非常用持ち出し袋)を背負っての散歩は恥ずかしいと思われる方も多いと思います。
防災もオシャレが大事です。市販のカッコいい(かわいい)リュックでも防災リュックになりますので、防災専用品にこだわらず、気に入ったもので揃えるのが防災を長続きさる秘訣だと思います。
5 散歩(上級)
もっと防災散歩を極めてみたい方は、条件を変えることで、それぞれの状況に応じた注意ポイントを確認することができます。
多少なりとも危険を伴いますので、家族全員ではなく代表者が散歩し、あとで情報を共有しましょう。
1 夜間の防災散歩
夜間に歩くことによって、昼間に気づかなかったことがわかる場合もあります。
特に停電で街灯が点灯していなかった場合などのリスクもあり、夜間でも安全に避難先まで行けるか確認しましょう。
ライトは必需品です。手に持つタイプより、片手をふさがないヘッドライト。
注意事項として、夜間、一人で重そうな防災リュックを背負って歩いていると、警察のパトロールによる職務質問される可能性があります。
リュックやカバンの中を見せるよう言われて、中にライト(懐中電灯等)が入っていた場合は、正当な理由なく他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具である懐中電灯を隠して携帯していたと理由で、軽犯罪法で逮捕された事例があります。
正当な理由=防災散歩 ということを堂々と伝えましょう。
2 雨の日(荒天時)の防災散歩
雨の日に歩くことによって、発見できるリスクもあります。
河川の氾濫や内水氾濫、側溝や用水路が溢れる、大雨で水没する道路があるなど、ハザードマップの情報を確認してから歩いてみましょう。
台風接近による暴風雨、線状降水帯による局地的な大雨など大雨警戒レベルが自治体から出されている場合は、危険ですので歩かないように!
大雨や洪水、土砂災害の危険度を色で教えてくれる
キキクル(気象庁)
https://www.jma.go.jp/bosai/risk/#zoom:11/lat:36.186659/lon:138.937912/colordepth:normal/elements:land
全国の洪水危険度(洪水予報等)をリアルタイムで教えてくれる
川の防災情報(国土交通省)
https://www.river.go.jp/index
6 おわりに
防災散歩の一般的な説明をいたしました。
ですが、家にペットがいる、家族(または自分)にハンディキャップがあるなど、人それぞれの状況があります。
また、子供たちが通学途中であったり、よく遊びにいく公園で被災した場合、買い物の途中、仕事中などなど、多くのシチュエーションがあります。
家族で話し合い、○○には近寄らない、雨の日は○○を通らないなど災害時の決まり事を作るのも有効な手段の一つです。
実際に防災散歩される場合は、夏場の熱中症対策などを心がけて、安全に行いましょう。
【参照・参考】
岡崎市消防本部
https://www.city.okazaki.lg.jp/1100/1113/1176/p024213_d/fil/kouhou4.pdf
国土交通省(まちを歩いて防災マップを作ろう!!)
https://www.mlit.go.jp/common/001084520.pdf
三重県健康管理事業センター(健康一口メモ)
https://www.kenkomie.or.jp/file/newsletter/k_202109.pdf