ゾンビパンデミック①：ゾンビとは？

ゾンビとは何か。それは、映画、ドラマ、ゲーム、漫画など、さまざまなメディアに登場し、多くの人々を魅了してやまない存在です。
しかし、ゾンビという言葉を耳にすることは多くても、その起源や特徴、そしてその背後にある文化的背景について深く理解している人は少ないかもしれません。
本記事では、ゾンビとは何か、その特徴、そしてメディアにおけるゾンビ像について詳しく解説します。

ゾンビの起源と進化

ゾンビの概念は、アフリカのヴードゥー信仰に由来するとされています。
ヴードゥー教では、「ゾンビ」とは、死者が復活し、生きたままの人々を襲う存在とされています。この信仰が奴隷貿易を通じてカリブ海やアメリカ大陸に伝わり、後にアメリカの大衆文化に影響を与え、ゾンビが現在の形に進化しました。

映画やドラマにおけるゾンビ像は、1932年の映画『白ゾンビ（White Zombie）』から始まりましたが、ゾンビを現代のポップカルチャーに定着させたのは、1968年のジョージ・A・ロメロ監督による『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』です。
この作品では、ゾンビが食人衝動を持つ恐怖の対象として描かれ、以降のゾンビ作品に多大な影響を与えました。

ゾンビの特徴

ゾンビの特徴はメディアによって異なりますが、一般的には以下の要素が共通しています。

1. 死からの復活
   ゾンビは、一度死んだ人間が何らかの方法で蘇る存在です。この復活は、ウイルス感染、魔法、放射能など、さまざまな原因によるとされています。
2. 意識の喪失
   ゾンビは、元の人格や意識を持っていないことが多いです。基本的には、本能的な欲求、特に食欲（主に人間の肉を食べること）に支配されています。
3. 身体的な劣化
   死後に蘇るため、ゾンビの肉体は通常、腐敗が進んでおり、皮膚が腐り落ちていたり、内臓が露出していることがよく見られます。また、動きが鈍い場合が多いですが、近年の作品では俊敏なゾンビも登場しています。
4. 感染力
   多くのゾンビ作品では、ゾンビに噛まれた者もまたゾンビ化するという感染力が強調されています。この設定は、ゾンビパンデミック（感染拡大）を引き起こす主要な要因として描かれることが多いです。
5. 弱点
   ゾンビの多くは、脳への直接的なダメージ（例えば、頭を撃つなど）で倒すことができるとされています。これは、ゾンビの活動を支えている唯一の機能が脳に集中しているからだと考えられています。

映画やドラマ、ゲームにおけるゾンビ

ゾンビは、映画やドラマ、ゲーム、漫画など、さまざまなメディアで異なる形で描かれてきました。

• 映画
  ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』シリーズは、ゾンビ映画の金字塔として知られています。さらに、『28日後…』や『ワールド・ウォーZ』といった映画では、従来の鈍い動きのゾンビに代わり、俊敏で凶暴なゾンビが登場しました。
• ドラマ
  テレビドラマでは、『ウォーキング・デッド』が代表的です。この作品では、ゾンビが社会崩壊を引き起こし、人間同士の対立や共生の問題が描かれます。
• ゲーム
  ゾンビをテーマにしたゲームも多く存在します。『バイオハザード』シリーズや『ラスト・オブ・アス』などがその代表です。これらのゲームでは、ゾンビと戦うサバイバル要素がプレイヤーを引き込むポイントとなっています。
• 漫画
  日本の漫画でもゾンビは多く描かれています。『アイアムアヒーロー』や『がっこうぐらし！』など、ゾンビによる日常崩壊を描いた作品が人気を博しています。

ゾンビの象徴性と文化的背景

ゾンビは単なるホラー要素としてだけでなく、社会問題や人間の本質を描く象徴としても扱われています。
例えば、ゾンビパンデミックは、現代社会における感染症の恐怖や、未知の災害への不安を象徴するものとして描かれることが多いです。
また、ゾンビは、人間の欲望や社会の崩壊を暗示する存在としても解釈されます。

ゾンビという存在は、時代や文化によってその意味や表現が変化してきましたが、共通して言えるのは、人々の心に恐怖と興味を引き起こす存在であるということです。

まとめ

ゾンビとは、死から蘇り、人間を襲う存在として描かれることが多く、その起源はアフリカのヴードゥー信仰に由来しています。
映画やドラマ、ゲーム、漫画など、さまざまなメディアで描かれてきたゾンビは、単なるホラー要素としてだけでなく、現代社会の恐怖や不安を象徴する存在としても重要な役割を果たしています。
ゾンビの進化とともに、その背後にある文化的背景や象徴性を理解することで、ゾンビ作品をより深く楽しむことができるでしょう。