小町(株式会社防災小町 社長秘書)
宮川(フリーの災害ジャーナリスト)
司会者
今日は「家庭での災害への備え」について、株式会社防災小町の社長秘書、小町さんと、災害ジャーナリストの宮川さんにお話を伺います。
地震対策にはいくつかの重要なポイントがありますが、まずはハザードマップの活用からお話を始めましょう。
宮川
ハザードマップは、家庭での災害対策を考える上で非常に有効なツールです。
これを使えば、地震時に自宅がどのような被害を受ける可能性があるのか、ある程度予測できます。
特に、地盤の強さや浸水のリスクがわかるため、家族と一緒にリスクを確認し、避難計画を立てる際に役立ちます。
小町
私も最近、自宅周辺のハザードマップを見直してみましたが、思った以上にリスクがある場所に住んでいることがわかりました。
特に浸水のリスクが高いエリアで、すぐに避難経路を再確認しなければならないと感じました。
やはり、ハザードマップを見ることで、自分の家のリスクを客観的に把握することができるんですよね。
宮川
その通りです。地震が発生した際に家がどの程度の揺れに耐えられるかを知るためにも、まずは自分が住んでいるエリアのハザードマップを確認することが重要です。
さらに、これをもとに家の耐震化を考えるのが次のステップです。
司会者
次に、家の耐震化についてお話ししましょう。
宮川さん、耐震化は具体的にどのような方法があるのでしょうか?
宮川
耐震化には、既存の建物に対して耐震補強工事を行う方法と、新築時に耐震性能の高い構造を選ぶ方法があります。
特に古い家の場合、1981年以前に建てられたものは耐震基準が現在のものと異なるため、耐震診断を受けることを強くお勧めします。
その結果に応じて、耐震補強を検討する必要があります。
小町
私の実家も古い家なので、耐震診断をお願いしたところ、いくつか補強が必要な箇所が見つかりました。
少し費用はかかりましたが、それでも家族の安全を守るために補強工事を行いました。結果として、今は安心して過ごすことができます。
宮川
耐震補強は、たしかにコストがかかることもありますが、それによって家族の命を守れると考えれば、非常に価値のある投資です。
補強工事の内容には、壁の強化や屋根の軽量化、基礎の補強などがありますが、これらは専門家の診断に基づいて決めるのが一般的です。
司会者
家の耐震化が整った後、次に考えるべきことは家具の固定や配置の見直しですね。
これについては、小町さんいかがですか?
小町
家具の固定や配置の見直しは、地震対策として非常に基本的ですが、とても重要です。
特に、大きな家具が倒れてくると、逃げ場がなくなる危険性があります。
私も社内で防災訓練を行った際に、実際に家具の配置を見直すことがどれだけ重要かを学びました。
例えば、寝室に大きな家具を置かないことや、重いものは下に置くといった基本的なことでも、効果は大きいです。
宮川
そうですね。家具の固定には、L字金具やストラップを使う方法があります。
また、家具の配置を考える際には、逃げ道を確保することも忘れずに。
たとえば、ベッドのそばに倒れる可能性のある家具がある場合、その配置を変えるか、しっかりと固定する必要があります。
小町
あと、子どもがいる家庭では特に注意が必要ですよね。
私の友人は、子ども部屋に背の高い本棚を置いていたのですが、それが地震の際に倒れそうになったことがありました。
それ以来、家具の配置や固定にはとても気を使っています。
宮川
小町さんのおっしゃる通りです。家具の固定や配置の見直しは、命を守るために欠かせない対策です。
さらに、地震が発生した際の行動シミュレーションも、定期的に行うことが大切ですね。
司会者
次に、ガラスの飛散防災対策についてお伺いします。
ガラスが割れて飛び散ることは、地震時に大きな危険を伴いますが、どのような対策が考えられるでしょうか?
宮川
ガラスの飛散防止には、飛散防止フィルムを貼ることが最も効果的です。
このフィルムは、地震の揺れでガラスが割れても、破片が飛び散らないようにする役割を果たします。
また、カーテンを閉めるだけでも、ガラスが飛び散るのをある程度防ぐことができます。
特に夜間、地震が発生した場合には、窓ガラスが割れると危険なので、フィルムを貼っておくことをお勧めします。
小町
私も自宅の窓に飛散防止フィルムを貼っています。
最初は少し手間がかかるかと思っていましたが、実際に貼ってみると簡単でしたし、安心感も大きいです。
また、ガラスに面している家具の配置も見直して、飛散のリスクを減らす工夫をしています。
宮川
窓だけでなく、ガラスを使用している家具や扉にもフィルムを貼ることができます。
特に、リビングや子ども部屋など、家族が集まる場所にはしっかりと対策を施しておくことが重要です。
司会者
最後に、防災備蓄についてお話を伺います。
どのようなものを備蓄すべきか、具体的に教えていただけますか?
小町
防災備蓄としては、まず水と食料が基本です。
水は一人当たり1日3リットル、最低でも7日分は備えておくことが推奨されています。
食料も、長期保存ができて火を使わずに食べられるものを中心に用意しておくと良いですね。また、最近では美味しい防災食も増えているので、家族の好みに合わせて選ぶのも良いと思います。
宮川
その通りです。
そして、水と食料以外にも、懐中電灯や電池、ラジオ、携帯電話の充電器など、災害時に必要な物資を揃えておくことが重要です。
また、薬や衛生用品、特に常備薬がある方は、その備蓄も忘れずに行いましょう。災害時には医療機関がすぐに対応できない場合も多いため、自分で対処できる範囲の準備をしておくことが大切です。
小町
そして、備蓄品は定期的にチェックすることも重要です。
消費期限が切れていないか、必要な物が揃っているかを見直すことで、いざという時に備えられます。
私も定期的に家族で備蓄品を確認して、足りない物があれば補充しています。
宮川
備蓄品は、家族構成や生活スタイルに合わせて、必要なものを選ぶことが大切です。
例えば、小さな子どもがいる家庭では、おむつや粉ミルク、ベビーフードなども備えておく必要があります。
また、高齢者や持病のある方がいる場合は、特別な医薬品やケア用品の準備も欠かせません。さらに、ペットを飼っている方は、ペット用の食料や水も忘れずに備えておくべきです。
小町
そうですね。
私の家でもペットがいるので、非常食と一緒にペット用のフードや水も用意しています。
また、災害時にはストレスを感じることが多いので、リラックスできるようなおもちゃや毛布なども一緒に用意しておくと良いかもしれません。
ペットも家族の一員ですから、彼らのための備えも怠らないようにしています。
宮川
その通りです。そして、備蓄品をただ揃えるだけでなく、定期的に点検し、使用期限が近づいているものは日常生活の中で消費して、新しいものに入れ替えることも重要です。
備蓄は「準備して終わり」ではなく、「日常の一部」として意識することが、いざという時に役立つのです。
小町
さらに、備蓄品をまとめて保管する場所も考える必要がありますね。
例えば、玄関近くに非常持ち出し袋を置いておくことで、地震が起きた際にすぐに持ち出せるようにするのが理想です。
また、家の各部屋に最低限の備蓄品を分散して置くことで、万が一、一部屋に閉じ込められても対応できるようにしておくと安心です。
宮川
そうですね。特に、一度家族全員で防災訓練を行い、備蓄品の場所や非常持ち出し袋の中身を確認することは非常に有効です。
これによって、家族全員が同じ意識で備えることができ、緊急時にも冷静に行動できるようになります。
小町
家族全員で防災について話し合うことは本当に大切ですね。
私も自宅で両親と一緒に防災訓練をして、非常時にどう行動すべきかを再確認しました。
家族が一緒に取り組むことで、各自が責任感を持って備えることができると思います。
宮川
地震への備えは、個人だけでなく家族全員で取り組むことで、その効果が倍増します。
今一度、ハザードマップの確認から始めて、家の耐震化や家具の固定、ガラスの飛散防止、防災備蓄まで、しっかりと準備を整えてください。
司会者
本日は、小町さんと宮川さんに「家庭での災害への備え」についてお話を伺いました。
家族の安全を守るために、日頃からできることをしっかりと準備しておくことが大切です。
お二人とも、ありがとうございました。
小町
ありがとうございました。
皆さんのご家庭でも、ぜひ今一度、防災対策を見直してみてください。
宮川
ありがとうございました。
備えあれば憂いなし、という言葉を忘れずに、災害への備えを進めてください。