「そんなことが自分に起こるわけない」と思っている方、実は多いのではないでしょうか?
私たちは日常生活の中で、さまざまなリスクに直面しています。地震、台風、火災など、どれもが命を脅かす可能性がある重大な災害です。
しかし、多くの人はこれらのリスクを感じながらも、実際に対策を講じることを怠っています。
なぜ、多くの人がリスクを認識していながら行動しないのでしょうか?
その理由の一つは「正常性バイアス」です。正常性バイアスとは、「自分に限ってそんなことは起きないだろう」という心理的な偏りです。
このバイアスは、実際に危険が迫っている場合でも、私たちの行動を鈍らせます。
災害が発生した際、人々の心理には様々な要因が影響します。
例えば、「認知的不協和」と呼ばれる心理現象があります。
これは、危機的な状況に直面したときに、自分の認識と実際の状況が一致しないために生じる不快感を和らげようとする心の働きです。
これにより、「本当に危険なのか?」と自分に問いかけ、危険を軽視してしまうことがあります。
また、「集団心理」も重要な要素です。多くの人が行動しない場合、自分も行動しないという選択をしがちです。
これは、「みんながやっているから大丈夫」という安心感を求める心理的なバイアスです。
しかし、災害時にはこの心理が命取りになることがあります。
もう一つの理由は「面倒くさい」という感情です。
防災対策を考えると、避難訓練、備蓄品の購入、防災計画の策定など、多くの手間がかかることが頭に浮かびます。
そのため、「あとでやればいい」と思ってしまいがちです。
例えば、2011年の東日本大震災では、多くの人が避難をためらった結果、被害が拡大しました。
「津波が来る」と知りながらも、避難を先延ばしにしたために、命を落とした人が多数いました。
この悲劇から学ぶべき教訓は、リスクを感じたらすぐに行動することの重要性です。
では、どうすれば私たちはリスクを感じた時に迅速に行動できるのでしょうか?
まず、日頃から防災意識を高めることが大切です。
地域の防災訓練に参加する、自宅に防災用品を備える、家族と避難計画を共有するなど、小さなことから始めてみましょう。
また、リスクを正確に認識するために、信頼できる情報源から情報を収集することも重要です。
政府の防災情報や専門家の意見を参考にし、正しい知識を持つことで、正常性バイアスを克服しやすくなります。
「危険だと思っても行動しない人」は少なくありません。
しかし、私たちは一人一人が意識を変え、行動を起こすことで、大切な命を守ることができます。
リスクを感じたら、「今すぐ行動する」ことを心がけましょう。