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水害の恐ろしさは、その破壊力だけでなく、押し寄せる水が決して「きれいな水」ではないことにあります。
外水氾濫、内水氾濫、津波など、さまざまな形態の水害が私たちの生活を脅かしますが、そのすべてに共通しているのは、汚れた水が私たちの生活環境に浸入するという現実です。
今回は、水害の具体的な種類と、その際に流れ込む水の危険性について詳しく解説します。

外水氾濫

外水氾濫は、川や湖、海などの外部水源からの水が堤防を超えて氾濫する現象を指します。
これにより、大量の水が短時間で市街地に流れ込み、広範囲にわたって被害をもたらします。
外水氾濫で流れ込む水は、自然環境の中で発生するため、泥や砂、植物の残骸、さらには動物の死骸や糞などが含まれています。
このような汚染された水が浸入すると、飲料水の確保が難しくなり、衛生環境が一気に悪化します。感染症のリスクも高まり、迅速な対応が求められます。

内水氾濫

内水氾濫は、都市部での豪雨による排水能力の限界を超えた場合に発生します。
特に下水道が溢れ出すことが多く、その水には家庭から流れ出た生活排水や産業排水が含まれています。
これらの排水には、化学物質、油脂、食品の残り、トイレからの排泄物など、多様な汚染物質が含まれています。
内水氾濫によってこれらの汚染水が住宅や商業施設に流れ込むと、建物の構造だけでなく、住民の健康にも深刻な影響を及ぼします。
特に、皮膚感染症や胃腸炎などが発生しやすくなります。

津波

津波は、地震や火山噴火、海底地滑りなどによって引き起こされる大規模な波の侵入です。
津波の水は海水であり、その中には海中の生物や海藻、砂、泥などが含まれています。
さらに、津波は沿岸部の建物や車両、樹木などを巻き込みながら進むため、その水は一層汚染されます。
津波が押し寄せた後の地域では、破壊された建物やインフラからの有害物質、油、ガソリンなどが混じり合い、非常に危険な状態になります。
これにより、被災地の衛生環境が悪化し、長期間にわたって健康リスクが続きます。

水害の影響と対策

水害における最も重要な対策は、予防と早期避難です。
特に高齢者や子供、病弱者など、避難に時間がかかる人々を早めに安全な場所へ避難させることが求められます。
また、避難先での衛生管理も重要です。
飲料水の確保、簡易トイレの設置、消毒液の準備など、避難生活の中での感染症対策を徹底することが必要です。

水害の発生後には、速やかな復旧と清掃活動が必要です。
泥や汚染物質を取り除くために、防護服やマスク、手袋を着用し、安全に作業を進めることが大切です。
また、被災地域の水質検査を行い、安全な飲料水の供給を確保することが求められます。