「防災訓練」と聞くと、多くの人はどこか退屈で義務的なイメージを持つかもしれません。
しかし、我が家の防災訓練は一味違います。
眠れなくなるほど面白い体験になったその理由と、誰でも取り入れられる工夫についてお話しします。
我が家の防災訓練が面白い理由の一つは、全ての訓練をストーリー仕立てにしていることです。
災害時のシミュレーションを、まるで冒険映画のように仕立てて家族全員で取り組んでいます。
たとえば、「巨大地震が発生し、家が揺れ始める!」という場面を設定して、家の中で一番安全な場所に避難するシミュレーションをします。
その際、避難中に「アイテムを集めるミッション」を付け加えることで、全員が協力しながら物資を集める楽しさを感じられるようにしています。
まるで、脱出ゲームを楽しむかのように家族全員が真剣に、そして楽しみながら訓練に取り組むのです。
また、家族それぞれに役割を持たせることで、責任感が芽生え、より一層真剣に取り組むことができました。
例えば、父親は「情報収集と指示」、母親は「避難経路の確保」、子どもたちは「非常持ち出し袋の準備」など、それぞれが大切な役割を担うことで、訓練においても家族の一体感が生まれました。
このような役割分担は、実際の災害時にもそのまま活かせる実践的な経験となります。
防災訓練のもう一つのハイライトは、即興劇形式で進めることです。
「もしも、お隣さんが怪我をしていたらどうする?」「突然停電になったら?」といった状況を設定し、家族それぞれの役割を決めて演じながら対処法を考えます。
この即興劇では、家族一人ひとりのアイデアが試され、思わぬ機転や面白い発想が飛び出すことが多々あります。
その度に大笑いが生まれ、次の訓練が待ち遠しくなるのです。
即興劇形式で学ぶことで、災害時に冷静に判断する力を自然と身につけられる点が魅力です。
さらに、即興劇は「他人との協力」も学ぶ良い機会です。
例えば、「近所の高齢者を助けに行く」というシチュエーションを設定し、家族内で協力しながらどのように支援をするかを考えます。
このような演習を通して、家族だけでなく地域社会全体の助け合いの重要性も理解することができます。
実際の避難生活を体験することも、我が家の防災訓練の大きな特徴です。
一日を通して電気・水道を使わず、限られた物資だけで過ごすという体験をします。
こうした訓練を通して、どのような物資が本当に必要なのか、何が不足するのかを肌で感じ取ることができます。
また、夕食をカセットコンロで作ったり、簡易トイレを使ったりすることで、家族全員が「不便さ」を体験するのですが、その中で「どう工夫すれば少しでも楽に過ごせるか?」を考える時間が楽しくなっていくのです。
不自由さを共有することで家族の絆も深まり、自然と協力する姿勢が生まれる点も興味深いところです。
さらに、夜にはランタンの明かりだけで過ごすことで、普段当たり前に感じている電気のありがたさを改めて感じます。
暗闇の中での会話は自然と深まり、家族同士の結びつきも強まります。
また、非常時における「我慢の仕方」や「楽しみの見つけ方」を学ぶことができ、子どもたちにとっても非常に有意義な時間となります。
我が家の防災訓練では、クイズ形式で学ぶことも取り入れています。
例えば、「非常持出袋の中に必ず入れておくべきものは?」「水の備蓄量の目安は?」などの問題を出し合い、家族みんなで知識を確認し合います。
こうしたクイズは、知識を深めるだけでなく、楽しみながら競い合うことで記憶にも残りやすくなります。
時には子どもたちが驚くほどの正解を出して大人を驚かせたり、逆に意外な盲点をついた間違いで笑いが起こったりと、いつも和気あいあいとした雰囲気です。
また、クイズには「タイムアタック形式」も取り入れます。
制限時間内にどれだけ多くの正解を出せるか競うことで、スピード感が加わり、緊急時の判断力を養うことにも繋がります。
このように遊びながら知識を習得することで、子どもたちも飽きることなく参加し続けることができます。
非常時グッズの使い方を実際に試してみる「実験大会」も、我が家では防災訓練の一環です。
例えば、非常食を実際に食べてみて「これならおいしく食べられる」「これはちょっと味が・・・」などと意見を出し合ったり、携帯用トイレを使う練習をしてみたりと、実際に使ってみることでわかることがたくさんあります。
この実験を通じて、「これでは足りない」「もっと備えを増やしたほうが良い」など、具体的な改善点が見えてきます。
また、非常時に備えるために「何が必要で、どれが必要ではないか」を実感し、次の訓練や備蓄に役立てることができるのです。
さらに、非常時グッズを使った「チャレンジ企画」も行います。
例えば、非常時用の水だけでどれだけの料理が作れるかを家族で競ったり、アルミシートを使ってどれだけ暖かく過ごせるかを試したりと、楽しみながら実践することで非常時に対する抵抗感が薄れ、積極的に備える気持ちが育ちます。
我が家の防災訓練は、家族みんなが楽しみながら本気で取り組める工夫を取り入れています。
ストーリー仕立てのシミュレーション、即興劇、実際の避難生活体験、クイズ形式、そして非常時グッズの実験大会。
これらすべてが、「防災」という一見堅苦しいテーマを、楽しさと学びの両立に変えてくれています。
家族みんなで楽しみながら防災訓練を行うことで、自然と知識が身につき、いざというときに冷静に対応できる力を養うことができます。
ぜひ、皆さんのご家庭でも、楽しく工夫した防災訓練を取り入れてみてください。
そうすれば、きっと「眠れなくなるほど面白い」防災訓練ができるはずです。
そして、防災訓練を通じて、家族同士の絆や地域とのつながりを再確認する良い機会にもなるはずです。
いざというときに頼りになるのは、やはり身近な人たちとの信頼関係です。
楽しく、そして真剣に取り組むことで、その効果はきっと想像以上のものとなるでしょう。