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通勤中に大地震が起きたら?会社員防災のリアルを知ろう

大地震は、いつどこで起きても不思議ではありません。
そしてそれは、自宅でくつろいでいるときではなく、意外にも多くの人が外出中、特に通勤中に遭遇する可能性があります。

電車の中、駅のホーム、バス停、ビルの中、歩行中の道ばた。通勤時間帯の災害は、自分で状況をコントロールできない場面が多いため、被害を受けやすくなります。
特に都市部では、交通機関の停止や情報の混乱によって、数時間から数日間、帰宅できないという事態も十分に起こり得ます。

この記事では、通勤中に大地震が起きたときに直面するリスクと、今からできる会社員としての現実的な防災対策を紹介します。

通勤中に起こるかもしれないこと

朝の通勤電車の中で突然大きな揺れに襲われたら。
多くの場合、電車は緊急停止し、その場で閉じ込められることになります。
車内にトイレや飲料水はなく、照明や空調も止まるかもしれません。
ホームに出られたとしても、エスカレーターやエレベーターは使えず、人の流れに押されてパニックになる可能性もあります。

また、地上で徒歩通勤中でも、ビルのガラスが割れて降ってきたり、電柱や看板の落下、地割れなどの危険があります。
都市の通勤路は、災害時には思っている以上に危険が潜んでいるのです。

帰宅できない状況を想定する

首都圏直下型地震などでは、交通網が長時間にわたって麻痺し、大規模な帰宅困難者が発生する可能性が高いとされています。
こうしたときに「とにかく歩いて帰る」という判断は、かえって危険を招きます。

ビルの倒壊や余震、火災、インフラの寸断。疲労や夜間の移動による事故。
無理な帰宅行動によって、命に関わる事態に発展するケースも過去の災害で報告されています。

そのため、企業や行政は「無理な帰宅はしない」「会社や施設で一時待機する」という方針を出しており、これを前提にした備えが求められます。

スーツのポケットに入る防災対策

とはいえ、ビジネスバッグやスーツ姿では、防災グッズを大量に持ち歩くのは現実的ではありません。
そこで、最低限の備えを軽くコンパクトにして持ち歩く「ポケット防災」をおすすめします。

例えば、以下のアイテムはすべてポーチ一つに収まります。

  • 携帯トイレ(1〜2枚)
  • 小型ライト(キーホルダー型)
  • モバイルバッテリー
  • 飴や栄養補助食品
  • アルミブランケット
  • 携帯ラジオ(小型)

これらは日常の荷物にさりげなく紛れ込ませることができるので、重くもかさばりもしません。
何も持っていないのと、これだけでもあるのとでは、安心感がまるで違います。

勤務先との連携も忘れずに

会社にいるときに地震が起きた場合、避難場所や連絡手段をどう確保するかは、個人の判断だけでは難しい部分もあります。
そこで大切になるのが、企業側との防災意識の共有です。

社内で定期的に避難訓練を行っているか、安否確認システムはあるか、帰宅困難者向けの備蓄は用意されているかなど、普段から確認しておくと安心です。
部署単位で簡単な防災リストを共有する、リーダーを決めておくなど、日頃の備えが被害を大きく減らすことにつながります。

また、通勤経路にある公園や避難所、自動販売機の位置などを把握しておくことも、移動中のリスク対策になります。

情報が命を守る時代

大地震の直後は、通信が不安定になりやすく、LINEやSNSはつながりにくくなることがあります。
そんなとき、SMS(ショートメッセージ)や災害伝言ダイヤル、災害用伝言板を活用できるようにしておくと、有効な手段になります。

また、気象庁の緊急地震速報アプリや、地域ごとの防災アプリを入れておくと、事前に地震の情報を得たり、避難情報を受け取ったりできます。
アプリを1つ入れておくだけで、生死を分ける判断につながることもあります。

まとめ

通勤中に大地震が起きる可能性は、決して他人事ではありません。
だからこそ、会社員としての防災は、現実的かつ持続可能であることが求められます。
少しの備え、少しの意識が、非常時の冷静な行動に直結します。

備えは重くなくていい、難しくなくていい。
今の生活の中でできることから、通勤防災を始めてみてください。
あなたの一歩が、あなた自身と周囲の命を守る大きな力になります。