
防災というと、特別なものを用意したり、防災倉庫に何かをしまい込んだりというイメージが強いかもしれません。
しかし、いざという時に役立つのは「日常の中に溶け込んでいる備え」です。
防災グッズが取り出しやすい場所にあるか、日頃の暮らしで自然に備えができているか。
この積み重ねが命を守る力になります。
この記事では、毎日見る場所に防災を仕込む方法について、具体的なアイデアを交えて詳しく解説していきます。
キッチンは、家の中で最も備蓄と密接に関係する場所です。
非常食を押し入れの奥にしまい込むのではなく、普段の食材ストックの中にローリングストック方式で防災備蓄を取り入れるのがポイントです。
例えば、缶詰、レトルトご飯、乾麺など、普段使いもできるものを多めに用意し、使った分だけ補充することで、備蓄が常に新鮮な状態でキープできます。
また、見える場所に「賞味期限リスト」を貼っておくと、家族みんなが意識しやすくなります。
キッチンに防災用の小型LEDライトや簡易コンロを置いておくのも、いざという時に役立ちます。
水は命を守る最重要資源です。洗面所やトイレといった水回りにも、少しの備えを仕込んでおくことが大切です。
例えば、洗面台の下に500mlペットボトルを数本備えておくだけでも、断水時に非常に助かります。
トイレには簡易トイレや凝固剤を備えておくと安心です。
さらに、災害時に欠かせないウェットティッシュやポリ袋も見える場所に置いておくことで、日常から「もしも」に備える意識が自然と高まります。
家族が集まるリビングは、情報を得たり避難の準備をしたりする場になります。
普段使っているスマホの近くに充電式のLEDライトやモバイルバッテリーを置いておくと、停電時にすぐ手に取れる安心感があります。
また、棚やテレビボードの引き出しに、家族の連絡先リスト、避難場所の地図、防災ハンドブックをまとめておくのも有効です。
避難時に持ち出すリュックも、リビングの見える位置に置いておくことで、家族全員が意識するようになります。
地震などの突発的な災害は、就寝中に起こることも多くあります。
そのため、寝室には命を守る備えを配置することが重要です。
ベッドの下や枕元には、スリッパ、ヘッドライト、軍手、そしてホイッスルをセットにしておくと安心です。
また、落下防止のための家具固定は必須です。
防災グッズはしまい込むのではなく、日頃から目に入る場所に置くことが大事です。
見慣れておくことで、非常時にも慌てずに使えるようになります。
特別なことをするのではなく、日常の延長線上でできるのが“暮らしの中の備え”です。
キッチン、洗面所、リビング、寝室など、毎日過ごす場所に小さな備えを積み重ねることで、大きな安心につながります。
「備えは遠いもの」ではなく、「暮らしの一部」にしていくことが、防災を続けるコツです。今日から、目に見える場所に防災を仕込む工夫を始めてみませんか。