戦争災害について(基本編)

戦争災害について(基本編)

最近特に日本の安全保障が脅かされています。

R国及びC国の領空・領海侵犯、NK国によるミサイル発射実験など、ほぼ毎日のようにテレビやネットのニュースで見かけます。

今回は、いつか起こるであろう戦争災害について、

私たち一般人が生き残るために必要な方法や備えを中心に解説いたします。

これさえ知っていただければ、少しでも生存率が上がる内容になっております。

どうぞ、最後まで読んでみてください。

目次

1 戦争被害と戦争災害(戦災)の違いについて

2 民間人が戦争で絶対にやってはいけないこと

3 避難時に望ましい服装とは

4 備えるべき物など

5 避難について

6 最後に・・・

の6つの項目についてとなります。

国際法や法律倫理的な話については、知識0の方でもわかる基本編として極力排除しておりますので、わかりやすくなっていると思います。

なお、ジュネーブ条約やハーグ陸戦条約に関することや、敵国兵士による民間人虐待や民族浄化については、今後の応用編にて細かく解説する予定です。

 

1 戦争被害と戦争災害(戦災)の違いについて

まず、戦争被害と戦争災害についての明確な定義はありませんが、一般的な意味を総合的にまとめて皆さんにご説明いたします。

戦争被害とは、戦争に関わる人たちや、装備の被害のことを言います。

国際的には、軍の被害を表します。

日本では、自衛隊や海上保安庁など国防や治安維持に関わる人たちの被害を言います。

戦争災害とは、地震や水害などと同様に災害と書いてあります。

これは、戦争で関わりのない、すべての民間人の被害を言います。

なぜ、戦争被害と戦争災害の二つに分かれているのかと言いますと、これを閲覧されているほとんどの方が国際法上、戦争であっても守られるべき民間人だからです。

私たち国民(民間人)からすれば、近隣国が勝手に攻撃・侵略(戦争)を仕掛けてくるので、私たちの意思とは関係なく戦争による被害を受けるわけですから、それは自然災害と同じ考え方で、戦争災害(戦災)と呼ばれるわけです。

まとめますと、

戦争をしている人達の被害=戦争被害や戦死者などのこと

そして、

民間人の被害=戦争災害、被災者、戦災者などのこと

になります。

国際法上、民間人は保護される人たちということになり、戦争で国際法が守られる限り攻撃されないことが約束されています。

ただし、皆さんもご存じのとおりに、R国によるウクライナ侵略では、民間人が保護されておりませんし、これまでの戦争でも民間人の被害は発生しております。

いくら日本が国際法を順守していても、相手が順守するとは限らないということを、しっかりと覚えておいてください。

 

2 民間人が戦争で絶対にやってはいけないこと

民間人が戦争でやってはいけないことがいくつかあります。

これから説明すること全て、皆さんの命を守るため、意図せぬ犯罪にならないためにどれも必要な知識となりますので、しっかりと覚えておきましょう。

やってはいけないこと

 戦闘地域に留まったり、近づくこと

危険な地域から離れるのは、当たり前にやならければならないことです。

本来、居ない人たちが戦闘地域に残っていたら、自衛隊はその人たちを守りながら戦うことになります。

また、敵味方関係なく、砲弾や銃弾の流れ弾に当たる可能性もあります。

戦闘地域になると言われたら、指定されたルートで早急に避難をしましょう。

 

 武器を取る(拾ったり使用する)こと

これだけは、戦争で民間人が絶対にやってはいけません!

いま読まれているほとんどの人が、武器を使う資格がありません。

武器を手に取るということは、国際上法で保護されている権利を自ら手放すことになります。

また、戦場で戦闘員かどうかをは銃などの武器を持っているかで判断される訳ですから、当然、敵からも味方からも狙われることになります。

国際法上でも、交戦者資格がないので捕虜になることも出来ず、投降の意思を見せてもその場で処理(射殺)される可能性がありますので、絶対にやってはいけません。

戦争になったら、落ちている銃を拾って俺も戦うぞ!という方もおられると思いますが、皆さんがやるべきことは、戦うことではなく戦争が終わるまで生き延びることです。

どうしても戦いと思われる方は、自衛隊に入隊して国防に関わっていただきたいと思います。

 

3 敵国に情報を渡すこと

これも戦争時に絶対にやってはいけません!

もし守らないと、例えば、自衛隊がどこに集まっている、〇 〇 という作戦を計画している等の行動に関わる情報を敵国に渡すことで、戦争に加担することになります。

これは、外患援助罪という犯罪になります。

【解説】
(刑法) 第82条 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは2年以上の懲役に処する。

敵国からの強要などで仕方なく答えることもある場合もあると思いますが、答えたとしても身の安全を保障される訳ではありませんし、無罪となる訳でもありませんので、何を聞かれても知らないと答えるのが一番です。

皆さんは、戦争に関わってはいけない立場です。その点を忘れないようにしましょう。

 

やってはいけないこと まとめ

1 戦闘地域に留まったり、近づくこと

2 武器を取る(拾ったり使用する)こと

3 敵国に情報を渡すこと

これら3つは、当たり前のことではありますが、忘れがちな部分でもありますので、しっかりと覚えておきましょう。

 

3 避難時に望ましい服装とは

生存率に大きく変わってくる服装です。

服装の選定基準

 色の選定

〇 茶色や黒、灰色、紺などの寒色系の地味な色

✖ 黄色や赤、白、蛍光色などの暖色系の派手な色

※グリーン系や迷彩柄などの戦闘員と間違えられるようなものは絶対に避けましょう

 

 素材

すぐに屈んだり走れるような動きやすいもの

〇 ウールや綿、難燃性素材の燃えにくい生地

✖ 熱に弱いポリエステルやアクリルなどの化学繊維

※光沢があったり、生地が擦れて 大きな音が出る素材も極力避けましょう

 

 その他

怪我を防止するため、夏場であっても肌の露出を極力避ける

物などに引っ掛けやすい様な服装は避ける

分からない部分は登山服や作業服なども参考にしましょう。

 

避難時に望ましい服装

 帽子(キャップ)

・絶対に用意しておきたい物の一つ
・頭や目を瓦礫や泥などから保護する為に必要
・つば付きのものを選ぶ

 

 シャツ(インナー)

・半袖でも長袖でも厚手のもの
※半袖の場合䛿必ず長袖の上着を着ること

 

 上着(アウター)

・薄手や動きやすければ厚手でも大丈夫
・怪我をした時に包帯や止血帯、担架代わりにもなる
・着なくても携行しておくこと

 

 ズボン

・ジーンズや作業ズボンがおすすめ( 動きやすいことを確認する! )
・怪我を防ぐため、肌の露出がない事
※スカートや半ズボンなどは避ける

 

 靴

・長距離歩いても疲れない履き慣れた靴を選ぶ
・ハイヒールや重い革靴など疲れやすいものは避ける
・足首まで保護できるブーツも怪我を防止できる

 

 軍手(手袋)

・絶対に用意しておきたい物の一つ
・使い捨ての物で良
※通常の災害以上に手の怪我の可能性が高いので必ず着用してから避難する

 

避難時の服装のまとめ

1 服装は地味な色が基本

2 帽子、ジーンズ(作業ズボン)、スニーカー、軍手の4つを身に着ける

3 長距離を歩く可能性も考慮する

ことを考えて決めましょう。

これらは、ワークマンやホームセンターで揃えることができます。

 

4 備えるべき物など

皆さんは、戦争に備えて日頃から準備をしておくことなんて・・・と思われるかもしれませんが、実は、地震などの災害に対する備えとあまり変わりません。

違いと言えば、ケガをするリスクが高いのと、長期避難をしなければならないこと。

また、避難したとしても、すぐに別の場所に避難という感じで逃げ続ける場合も考えられます。

基本的には、防災リュックをベースに

1 食料を多めに準備する

避難が長期間になりますので、可能ならば長期備蓄をしましょう。

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2 医薬品を多めに準備する

医薬品に関しては、ケガをしたらすぐに手当てできるように、日頃から消防や赤十字が行っている救急法を定期的に受講することをおすすめいたします。

ネットショップやミリタリーショップなどで売っている戦闘によるケガを想定した軍用の止血帯や止血剤入りのガーゼなど高価ですが、正しい使い方を知っていれば頼もしいアイテムになります。

そういった物が無い場合もボールペンや上着、タオル、ロープ、ベルトなどを使えば、止血帯の代わりになりますので、応用的な使い方を知っておくのも有効かと思います。

また、戦争になると負傷者が増えて、医薬品が不足する可能性も十分考えられます。

最低限は、解熱鎮痛剤や消毒薬などがあると良いと思います。

可能であれば、破傷風のワクチン接種及び追加接種をおすすめいたします。これは、自然災害や災害ボランティアで活動中にケガをされた場合に有効になります。

 

3 レインコートを準備

レインコートは、雨の日の避難や上着の代用で防災リュックに準備されていると思います。

戦争時は+αの使い方があり、核攻撃後の放射性落下物からの防護や化学兵器(毒ガス)が使用された場合の避難に使用することができます。

レインコートは防護服ではないので、核や化学兵器などから身を守るのには不十分ですが、私たち一般人ができる限界に近い対応になります。

そのような状況で使用する場合は、避難する前にレインコートを着て、ゴム手袋をし、袖や上下の繋ぎ部分やジッパー、裾などをガムテープなどで止め、フードを被り、マスクをして、外気と暴露する部分を限界まで無くし、リュックなどは、2重にビニール袋に入れて口を結んで抱えるように持って、避難するのが私たち一般人ができる対応になります。

 

4 傘は持ち歩かない

傘は持ち歩いてはいけません。理由は以下のとおりです。

傘は銃と誤認される可能性がある

特に閉じた状態の黒系の傘は、銃と間違えられる可能性があります。

片手が塞がるのは避難時には危険

これは自然災害の避難と同じ理由です。なるべく両手を開けるようにしましょう。

視界が遮られると上方の警戒ができなくなる

視界を遮る状態は絶対に避けなければなりません。例えば、都市部では上方からの落ちそうな看板などが視認できずに歩くのは非常に危険です。

 

5 避難について

実際に戦争になった場合に、どのように避難すればよいのかわからない方がほとんどだと思います。

日本で戦争が始まるときは、相手国が領空や領海内に侵入、またはミサイル等での先制攻撃が基本になります。

その他にも、国内に潜んでいる工作員によるゲリラ攻撃などの破壊工作が行われます。

そうした状況が発生する直前や直後に、Jアラートによる警報がスマートフォンやラジオ、テレビ、防災無線などを通じて国民保護に関する警報が伝達されます。

警報が伝達だれたら、詳細な情報を確認する前にやっていただきたい行動は、頑丈な建物や地下などの安全な場所に避難することです。

それから、情報収集を始めます。

避難するのに1分の猶予のない可能性もあり、情報よりも身の安全を確保する方が優先度が高くなります。

まわりに頑丈な建物や地下が無い場合は、最低でも物陰に身を隠す行動をとり、それから情報収集をします。

情報の内容は、いつ、どこで、何が起こっているのかを確認し、自分が安全な地域にいるのかどうかを確認したら、すぐに行動をしましょう。

危険な地域にいる人は、すぐに安全な場所まで避難をしなければなりません。

安全な地域にいる人も、今後はどうなるのかわかりませんので、避難の準備をして情報を逃さないようにしましょう。

武力攻撃事態発生時の避難施設については、国民保護ポータルサイトで公開されています。

内閣官房 国民保護ポータルサイト
https://www.kokuminhogo.go.jp/

一度はお住まいや職場の近くの地域の避難施設を確認してみてください。

避難誘導については、警察・消防・自衛隊などが行いますが、現時点では事前の想定が難しく、各省庁や行政などの取り決めの不十分なので、実際その時になってみないとわからないのが現実です。

ただし、車での避難は難しいので徒歩で避難することを心がけましょう。

理由は、自然災害の避難とほぼ同じで、車で避難をしようとすると間違いなく渋滞が発生し逃げ遅れます。主要道路は自衛隊や消防(救急)などが優先的に使用しますので、交通規制も掛かりさらに難しくなります。

そもそも、避難する時間すらない可能性や情報を入手できない可能性もありますので、そうなった場合のことも考える必要があります。

避難について まとめ

1 敵の攻撃
・領空、領海侵犯
・ミサイル攻撃
・ゲリラ攻撃

2 Jアラート発令
・スマホ、ラジオ、テレビ、防災無線等を通じて情報伝達
・頑丈な建物や地下などの安全な場所に移動
・攻撃手段や対象地域等の内容がリアルタイムで送られる

3 避難指示
・行政からの避難指示
・避難方法や避難場所などの内容が伝えられる

4 避難

 

6 最後に・・・

最後に、逃げ遅れて戦闘に巻き込まれた場合、どうすれば良いのかについてです。

逃げ遅れた場合には、敵はどの方向から攻めてくるのか、自衛隊はどこにいるのかを最初に知る必要があります。

敵から逃げるように避難することになりますので、周辺を警戒しながら進み、自衛隊や警察などを見かけたらアピールして助けを求めて、安全な地域まで護送してもらうか、避難ルートを教えてもらうことになります。

自衛隊が戦闘中や戦闘地域に向かう途中で助けてくれるのかは、実際起こってみないとわかりませんが、助けてくれなくても、自衛隊が来た方向に向かって歩いていくと安全な地域まで逃げれると思います。

防災小町
私の住んでいる地域も避難場所が多くありますが、そのほとんどが自然災害の避難所と同じです。学校は窓が多く攻撃には弱く、地下施設はそれなりに耐えられますが、数多くな無いし、シェルターとして何日も滞在するには向きませんね。あくまでも一時避難や遠方避難への中継地点と考えたほうが良さそうです。
株式会社防災小町 ぼうさいこまち 防災小町 お問い合わせ

【参照・参考】
内閣官房 国民保護ポータルサイト
https://www.kokuminhogo.go.jp/
陸上自衛隊 国民保護等派遣の仕組み
https://www.mod.go.jp/gsdf/about/civil/index.html
総務省消防庁 国民保護とは
https://www.fdma.go.jp/about/organization/post-15.html
東京都防災ホームページ 国民保護の取り組み
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000063/1000418.html
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000112
民間人のための戦場行動マニュアル
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/general/20974/
日本版 民間防衛
https://www.garo.co.jp/archives/316
イラストでまなぶ!戦闘外傷救護
http://hobbyjapan.co.jp/books/book/b439753.html