迷探偵ルナの防災事件簿 地震対策の闇 第2話(全6話)

迷探偵ルナの防災事件簿

地震対策の闇 第2話(全6話)

ルナは体育館に向かって走った。

地震が来ると感じたからだ。

彼女は防災マニアだった。

地震や火災などの災害に関する本や雑誌を読み漁り、防災グッズを集めていた。

彼女は自分の部屋に非常用持ち出し袋を用意していた。中には懐中電灯やラジオ、水や食料、毛布や着替え、救急セットやホイッスルなどが入っていた。彼女はいつでも災害に備えていた。

しかし、彼女はただの防災マニアではなかった。

彼女には特別な能力があった。

それは妄想で事件を解決するという能力だった。

彼女は自分の頭の中で様々なシナリオを想像し、その中で最も合理的なものを選んで推理することができた。

彼女は自分を迷探偵と呼んでいた。

ルナは体育館に着くと、すぐに非常口に向かった。

そこには防災倉庫があった。

彼女は倉庫の扉を開けようとしたが、鍵がかかっていた。

彼女は鍵穴を覗いてみたが、ピンとワイヤーが見えた。

「これは罠だ!」ルナは思った。「誰かがこの倉庫に爆弾を仕掛けたんだ。地震が起きたら、この倉庫が爆発して、体育館ごと吹き飛ぶんだ」

ルナはすぐに妄想モードに入った。

彼女は自分の頭の中で爆弾を仕掛けた犯人の姿を想像した。

「犯人は誰だ?学校関係者か?生徒か?先生か?それとも外部の人間か?」

「動機は何だ?金か?復讐か?テロか?それともただの狂気か?」

「手口はどうだ?どうやって倉庫に侵入した?どうやって爆弾を作った?どうやって時限装置を設定した?」

「証拠は何だ?爆弾の材料か?足跡か?指紋か?それとも目撃者か?」

ルナは次々と質問を投げかけ、自分で答えていった。

「犯人は学校関係者だ。外部の人間なら、警備員に見つかっていただろう」

「動機は金だ。地震対策の裏金をせしめるためだ」

「手口はこうだ。倉庫の鍵を盗んだり、コピーしたりして侵入した。爆弾はインターネットで調べて作った。時限装置は地震予知研究所の発表に合わせて設定した」

「証拠はこれだ。爆弾の材料は化学室から盗んだ。足跡は倉庫の周りに残っている。指紋は鍵や爆弾に付いている。目撃者は私だ」

ルナは自分の推理に満足した。彼女は犯人の名前を思い出した。

「犯人はあの人だ!地震対策委員会の委員長、先生だ!」

ルナはそう叫んで、倉庫から飛び出した。

そのとき、地震が起きた。

 

つづく

この小説はフィクションです。実在の人物や団体とは関係ありません。