迷探偵ルナの防災事件簿
地震対策の闇 第4話(全6話)
ルナは警察官に連行されて、取調室に入れられた。
彼女は自分が爆弾を仕掛けたという疑いをかけられていた。
彼女は自分の無実を訴えたが、誰も彼女を信じなかった。
彼女は自分の妄想に囚われていた。
「私はやってません!私はやってません!」ルナは何度も叫んだ。
「じゃあ、どうしてあなたは爆弾があると言ったんですか?」
取調官が厳しい声で尋ねた。
「私は・・・私は・・・」
ルナは思い出そうとしたが、何も思い出せなかった。
彼女は自分の妄想に囚われていた。
「あなたは地震対策委員会の委員長である先生に恨みでもあったんですか?」
「恨み?何の恨みですか?」
「先生は地震対策の裏金を暴こうとしていたジャーナリストだったんですよ。あなたはそれを知っていましたか?」
「ジャーナリスト?裏金?何のことですか?」
「先生は地震対策委員会の委員長として、学校に耐震工事をさせる計画を立てていました。しかし、その工事費の一部を横領しようとしていました。その証拠を掴もうとしていたのが、先生だったんです」
「そうなんですか?」
「そうなんです。先生は本当はジャーナリストでした。彼は地震対策委員会の委員長になりすまして、学校に潜入していました。彼は地震予知研究所の発表を利用して、爆弾を仕掛けて学校を脅迫しようとしたのです。彼は学校から裏金をせしめようとしたのです」
「そうなんですか?」
「そうなんです。そして、あなたはその爆弾を仕掛けた犯人に仕立て上げられたのです。あなたは先生に罪をなすりつけられたのです」
「そうなんですか?」
「そうなんです。あなたは無実なんですよ。あなたは被害者なんですよ」
「そうなんですか?」
ルナは取調官の言葉に疑問を感じた。
彼女は自分の妄想から目覚め始めた。
「でも、でも、それだと先生が犯人だってことになりますよね」
「そうです。先生が犯人です」
「じゃあ、どうして先生が逮捕されないんですか?」
「それは・・・それは・・・」
取調官は言葉に詰まった。
ルナは取調官の顔を見て、気づいた。
取調官も先生と同じジャーナリストだった。
彼らは共謀していた。
彼らは地震対策の裏金を暴くことよりも、爆弾テロのスクープを狙っていた。
彼らはルナを利用していた。
「あなたも犯人なんですね」
ルナはそう言って、取調官に睨みつけた。
取調官は驚いて、後ずさった。
ルナは自分の妄想から解放された。
つづく
この小説はフィクションです。実在の人物や団体とは関係ありません。