迷探偵ルナの防災事件簿 鳴らない防災ラジオ
「ルナちゃん、見て見て!これ、新しい防災ラジオなの!」
ユキは嬉しそうにカバンから小さな箱を取り出した。
それはピンク色の可愛らしいデザインの防災ラジオだった。
「えー、ユキちゃん、こんなもの買ったの?防災に興味あるの?」
ルナは驚いた。
彼女は自分とは正反対に、防災にあまり関心のない親友だと思っていたからだ。
「うん、まあね。最近、地震とか台風とか多いじゃない。もしものときに備えてね。それに、このラジオ、手回しでも充電できるし、ライトやサイレンもついてるし、スマホも充電できるんだって!」
ユキは箱を開けてラジオを取り出した。
それは手のひらに収まるくらいのサイズで、前面にはスピーカーとダイヤルがあり、側面にはハンドルとUSBポートがあった。
「すごいねー。でも、ラジオって何聞くの?」
ルナは疑問に思った。彼女は普段から防灊ラジオを持ち歩いていたが、それは主に緊急時の情報収集や連絡用に使っていた。
音楽やニュースなどを聞くことはほとんどなかった。
「そうだねー。音楽とかニュースとかかな。あ、でもこのラジオ、AMとFMだけじゃなくて、SWも受信できるんだって。SWって何?」
ユキはラジオのダイヤルを回してみたが、何も聞こえてこなかった。
「SWっていうのはショートウェーブっていうんだよ。短波っていう意味だね。遠くの国の放送とか聞けるらしいよ」
ルナは教えてあげた。
彼女は防災マニアとして、様々な種類のラジオに詳しかった。
「へー、そうなんだ。じゃあ、今日は何か面白い放送が聞けるかな?」
ユキは期待した顔をしたが、やはり何も聞こえてこなかった。
「おかしいなあ。電池切れかな?でも、新品だよね」
ユキは不満そうに言った。
「電池切れじゃなくても、電波が悪いときもあるよ。場所を変えてみようか」
ルナは提案した。
彼女はラジオを持って窓際に行ったが、それでも何も聞こえてこなかった。
「やっぱりダメだね。壊れてるのかなあ」
ユキは残念そうに言った。
「壊れてる……?」
その言葉を聞いた途端、ルナの頭の中に閃光が走った。
壊れてる……?
それとも……?
ルナは妄想癖のある防災マニアだった。
彼女は防災を積極的に活用していたが、それだけでは満足できなかった。
彼女は常に、防災にまつわる謎や事件を想像していた。
そして、すべて妄想で解決する特技を持っていた。
ルナは目を閉じて、妄想の世界に入った。
【妄想中】
「ルナちゃん、これ、新しい防災ラジオなの!」
ユキは嬉しそうにカバンから小さな箱を取り出した。
それはピンク色の可愛らしいデザインの防災ラジオだった。
「えー、ユキちゃん、こんなもの買ったの?防災に興味あるの?」
ルナは驚いた。
彼女は自分とは正反対に、防災にあまり関心のない親友だと思っていたからだ。
「うん、まあね。最近、地震とか台風とか多いじゃない。もしものときに備えてね。それに、このラジオ、手回しでも充電できるし、ライトやサイレンもついてるし、スマホも充電できるんだって!」
ユキは箱を開けてラジオを取り出した。
それは手のひらに収まるくらいのサイズで、前面にはスピーカーとダイヤルがあり、側面にはハンドルとUSBポートがあった。
「すごいねー。でも、ラジオって何聞くの?」
ルナは疑問に思った。
彼女は普段から防災ラジオを持ち歩いていたが、それは主に緊急時の情報収集や連絡用に使っていた。
音楽やニュースなどを聞くことはほとんどなかった。
「そうだねー。音楽とかニュースとかかな。あ、でもこのラジオ、AMとFMだけじゃなくて、SWも受信できるんだって。SWって何?」
ユキはラジオのダイヤルを回してみたが、何も聞こえてこなかった。
「SWっていうのはショートウェーブっていうんだよ。短波っていう意味だね。遠くの国の放送とか聞けるらしいよ」
ルナは教えてあげた。彼女は防災マニアとして、様々な種類のラジオに詳しかった。
「へー、そうなんだ。じゃあ、今日は何か面白い放送が聞けるかな?」
ユキは期待した顔をしたが、やはり何も聞こえてこなかった。
「おかしいなあ。電池切れかな?でも、新品だよね」
ユキは不満そうに言った。
「電池切れじゃなくても、電波が悪いときもあるよ。場所を変えてみようか」
ルナは提案した。
彼女はラジオを持って窓際に行ったが、それでも何も聞こえてこなかった。
「やっぱりダメだね。壊れてるのかなあ」
ユキは残念そうに言った。
「壊れてる……?」
その言葉を聞いた途端、ルナは目を見開いた。
「ユキちゃん、これは事件だよ!」
「え?事件?どういうこと?」
「このラジオ、ただのラジオじゃないんだよ。これは、国際的な陰謀に関わる暗号機なんだよ!」
「はあ?ルナちゃん、何言ってるの?」
「信じて!このラジオは、外見は普通の防災ラジオだけど、中身は高度な暗号化技術が使われているんだ。だから、普通の電波では聞こえないんだよ。特別な周波数とキーが必要なんだ」
「そんなのありえないよ。どうしてそんなこと知ってるの?」
「私は迷探偵ルナだからね。防災に関するあらゆる情報に精通しているんだ。このラジオは、実は国連の機密情報をやりとりするために使われているんだ。でも、何者かに盗まれて、闇市場で売られたんだよ。そして、偶然にもユキちゃんが手に入れたんだ」
「えええええ!?そんなのあり得ないよ!」
「あり得るよ。このラジオには、世界の平和を揺るがす重大な秘密が隠されているんだ。それを知っているのは、私とユキちゃんと、もう一人……」
「もう一人って誰?」
「それは……」
ルナはドアの方を指差した。
「あそこにいる人!」
ドアが勢いよく開かれた。そこには、黒ずくめの男が立っていた。彼はサングラスをかけており、手には拳銃を持っていた。
「やっと見つけたぞ。そのラジオを渡せ」
男は冷酷な声で言った。
「きゃああああ!助けて!ルナちゃん!」
ユキは悲鳴を上げた。
「大丈夫だよ、ユキちゃん。私が守ってあげる」
ルナは勇敢に言った。
「お前ら、動くな。そのラジオをこっちに投げろ。さもなくば、撃つぞ」
男は脅した。
「絶対に渡さないよ。このラジオは、私たちのものだ」
ルナは反抗した。
「そうか。じゃあ、死ね」
男は引き金を引いた。
バン!
【妄想終了】
ルナは目を開けた。
彼女は自分の妄想に夢中になっていたが、現実に戻った。
彼女は周りを見回した。
ユキは驚いた顔で彼女を見ていた。
窓際にはラジオが置かれていた。
ドアには誰もいなかった。
拳銃の音もしなかった。
すべて妄想だった。
ルナは苦笑した。
「ごめんね、ユキちゃん。私、ちょっと妄想しちゃった」
「・・・、それでラジオは治るの?」
ユキは呆れて呟いた。
おわり
この小説はフィクションです。実在の人物や団体とは関係ありません。