防災はディナーの前に A

防災はディナーの前に A

ある日、とある夫婦が夕食の準備をしていた。

「今日は、お魚と野菜を炒めようかな」

妻がそう言いながら、魚を下ろす。

「うん、いいんじゃない。それじゃあ、僕はご飯を炊こうか」

夫がそう言って、炊飯器に米を入れる。

そんなとき、突然、大きな地震が襲った。

夫婦は、思わずテーブルから飛び上がってしまう。

「地震だ!」

「大丈夫?」

夫婦は、互いに声をかけ合う。

地震は、しばらく続いた。そして、ようやく収まった。

「無事だったね」

「うん、よかった」

夫婦は、ほっと胸をなで下ろした。

しかし、そのとき、テレビから、ニュースのアナウンサーの声が聞こえてきた。

「本日、午後9時頃に、首都圏でマグニチュード7.8の地震が発生しました。震源は、千葉県沖。この地震による被害は、まだ確認されていませんが、大きな揺れに見舞われた地域では、建物の倒壊や火災の恐れがあります。市民の皆様には、身の安全を確保していただくよう、お願いいたします」

夫婦は、ニュースの内容に、愕然とした。

「マグニチュード7.8って、すごく大きいよね」

「うん、大変なことになっているかもしれない」

夫婦は、すぐに、防災リュックを用意した。

「水、食料、懐中電灯、ラジオは入っているよね」

「うん、大丈夫」

夫婦は、防災リュックを背負って、家を出た。

しかし、外は、すでに混乱状態になっていた。

道路には、倒れた建物や電柱が散乱し、人々がパニックに陥っている。

夫婦は、何とか道を切り開いて、避難所にたどり着いた。

避難所では、多くの人々が、不安そうな顔で、物資を受け取っていた。

夫婦は、避難所のスタッフに、食料や水の配給を手伝った。

そして、夜が明けた。

地震による被害は、甚大なものだった。

多くの建物が倒壊し、多くの人々が犠牲になった。

夫婦は、その惨状を目の当たりにして、改めて、防災の大切さを痛感した。

「防災は、ディナーの前に、やっておかないといけないんだね」

妻がそう言うと、夫は、うなずいた。

「そうだね。いつ、何が起こるかわからないから」

夫婦は、その日を境に、防災意識を高め、日頃から、防災対策を怠らないようにした。

 

おわり

この小説はフィクションです。実在の人物や団体とは関係ありません。