迷探偵ルナの防災事件簿 鳴らない火災報知器

迷探偵ルナの防災事件簿 鳴らない火災報知器

天空ルナ(あまそらるな)は、16歳の女子高生で妄想癖のある防災マニアだった。

彼女は、自分が迷探偵ルナという名の名探偵だと思い込んでいた。

彼女は、防災を積極的に活用して、すべて妄想で事件を解決する特技を持っていた。

彼女には、防災にあまり関心のないユキという親友がいた。

ユキは、ルナの妄想に付き合わされることが多く、苦労していた。

ある日、ルナとユキは、学校の放課後に図書館に行った。

ルナは、新刊の防災本を借りようとしたが、すでに貸し出されていた。

ルナは、がっかりしたが、ユキは、ほっとした。

ルナは、図書館の中を見回した。

すると、彼女は、何かに気づいたようだった。

「ユキ、あそこに見える火災報知器、おかしくない?」

「どこ?ああ、あれか。どうおかしいの?」

「見てごらんよ。火災報知器の下に小さな穴が開いてるよ。それに、火災報知器の色も少し違うような気がする」

「そう?私には普通に見えるけど」

「普通じゃないよ。これは事件だよ。誰かが火災報知器をいじって何か仕掛けたんだよ」

「え?そんなことあるの?」

「あるよ。例えばね、火災報知器の中に爆弾を仕込んだりするとか」

「爆弾!?」

「そうだよ。もしかしたら今にも爆発するかもしれないよ」

「やめてよ、怖いじゃない」

「大丈夫だよ。私が迷探偵ルナだからね。この事件を解決してみせるよ」

「事件じゃないってば」

ルナは、無視して図書館員に近づいた。

「すみません。この火災報知器について教えてください」

「はい。どうされましたか?」

「この火災報知器は最近取り付けられたものですか?それとも以前からありましたか?」

「ええと、この火災報知器は以前からありますよ。何か問題がありましたか?」

「問題がありますよ。この火災報知器は偽物ですよ」

「偽物!?どういうことですか?」

「この火災報知器の下に穴が開いていますよね。それに色も少し違いますよね」

「確かに穴は開いていますね。でも色は普通ですよ」

「普通じゃありませんよ。本物の火災報知器は白色ですが、この火災報知器はクリーム色ですよ」

「クリーム色?そんなことないですよ」

「じゃあ、比べてみましょうか。他の火災報知器と」

ルナは、図書館の中を走り回って、他の火災報知器を探した。

ユキは、困惑しながらついていった。ルナは、やっと見つけた火災報知器を指さした。

「見てください。こちらの火災報知器は白色ですよね。でもあそこにある火災報知器はクリーム色ですよね」

「確かに少し色が違いますね。でもそれがどうしたんですか」

「それがどうしたんですかって、これは明らかに偽物ですよ。本物の火災報知器と偽物の火災報知器を入れ替えたんですよ。そして偽物の火災報知器の中に何か仕掛けたんですよ」

「何を仕掛けたんですか?」

「それはわかりません。でも危険なものだと思いますよ。もしかしたら爆弾だったりするかもしれませんよ」

「爆弾!?」

「そうだよ。だから私たちは早くこの図書館から出ないといけませんよ。そして警察に通報しないといけませんよ」

「本当にそう思うんですか?」

「もちろんだよ。私は迷探偵ルナだからね。妄想で事件を解決する特技があるからね」

「妄想で事件を解決する特技って何ですか?」

「それはね、私の頭の中で事件のシナリオを作り出して、犯人の動機や手口や証拠を推理することだよ」

「それってただの妄想じゃないですか」

「妄想じゃないよ。推理だよ。私は妄想で事件を解決することができるんだよ」

「それってどうやって証明するんですか」

「証明する必要なんてないよ。私は自分の妄想に自信があるからね」

「自信があるだけでいいんですか」

「そうだよ。私は迷探偵ルナだからね」

ルナは、自分の妄想に満足して笑った。ユキは、呆れてため息をついた。

「ルナ、本当に困りますよ。こんなことで図書館を騒がせて、警察に迷惑をかけて、どうするんですか」

「大丈夫だよ。私がすべて解決してみせるよ」

「解決する前に逮捕されるかもしれませんよ」

「逮捕されないよ。私は迷探偵ルナだからね」

ルナは、図書館員に向かって叫んだ。

「早くみなさん、この図書館から出てください!ここに爆弾が仕掛けられています!警察に通報してください!私は迷探偵ルナです!この事件を解決してみせます!」

図書館員は、ルナの言葉に驚いて目を見開いた。

「爆弾!?迷探偵ルナ!?何を言ってるんですか!?」

図書館内は、パニックに陥った。

 

おわり

この小説はフィクションです。実在の人物や団体とは関係ありません。