正常性バイアス

災害時の正常性バイアスとは?

災害時の正常性バイアスとは、人は自分の日常生活がいつも通りであるという認識を維持しようとする心理的傾向のことです。
これは、人間が日常生活の中でさまざまな情報にさらされ、それらを処理する際に、自分の認識と一致しない情報は排除してしまうためです。

災害時において、正常性バイアスは、被災者が危険を認識せず、適切な避難行動をとらない原因となることがあります。

たとえば、地震が起きたとき、テレビやラジオで「強い揺れが予想されます」と放送されたとしても、正常性バイアスが働いて、「自分たちの家は大丈夫だろう」「地震なんて滅多に起きない」と考えてしまうことがあります。
そのため、避難せずに家の中にいると、地震で家が倒れて死亡したり、けがをしたりしてしまうことがあります。

また、台風が来たとき、テレビやラジオで「大雨と暴風雨が予想されます」と放送されたとしても、正常性バイアスが働いて、「自分たちの家は大丈夫だろう」「台風なんてたいしたことない」と考えてしまうことがあります。
そのため、浸水などの被害に遭ってしまい、逃げ遅れるということがあります。

災害時の正常性バイアスの具体例

災害時の正常性バイアスの具体例は以下の通りです。

・地震発生時、家が倒壊する可能性を認識せず、避難をしない。
・台風の接近に伴う大雨警報が発令されたにもかかわらず、外出する。
・発生時、火の勢いが大きくなると予想せず、消火器を使わずに逃げ出す。

正常性バイアスの対策

災害時の正常性バイアスの対策は以下の通りです。

・災害に関する情報をできるだけ多く収集する。
・災害発生時の避難行動を事前にシミュレーションする。
・避難訓練に参加する。
・災害に備えて備蓄をしておく。

災害時の正常性バイアスのメリット

災害時の正常性バイアスはデメリットだけではなく、予期しない事態が発生した際に、その事態を「自分にとっての日常」と捉え、過度に不安や恐怖を感じないようにする心理的防衛反応ですので、災害時において以下のようなメリットをもたらします。

心の平静を保つことができる

正常性バイアスは、災害時において、心の平静を保つことができるというメリットがあります。
災害が発生すると、多くの人が不安や恐怖を感じます。しかし、正常性バイアスが働くことで、その事態を「自分にとっての日常」と捉え、過度に不安や恐怖を感じないようにすることができます。
これにより、冷静に状況を判断し、適切な行動をとることができるようになります。

適切な判断を下すことができる

正常性バイアスは、災害時において、適切な判断を下すことができるというメリットもあります。
災害が発生すると、多くの情報が錯綜し、何が正しい情報なのか、何をすべきなのかがわからなくなることがあります。
しかし、正常性バイアスが働くことで、その事態を「自分にとっての日常」と捉え、冷静に状況を判断し、適切な判断を下すことができるようになります。

行動を起こすことができる

正常性バイアスは、災害時において、行動を起こすことができるというメリットもあります。
災害が発生すると、多くの人がパニックに陥り、行動を起こすことができなくなります。
しかし、正常性バイアスが働くことで、その事態を「自分にとっての日常」と捉え、冷静に状況を判断し、行動を起こすことができるようになります。

まとめ

正常性バイアスは、災害時において、心の平静を保ち、適切な判断を下し、行動を起こすことができる、というメリットがあります。
しかし、正常性バイアスが働きすぎると、危険な行動をとってしまうこともあります。
そのため、正常性バイアスを理解し、上手く利用することが大切です。

神戸市 正常性バイアス
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/54168/kobe-disaster-prevention-leader-text-chapter5.pdf

Wikipedia 正常性バイアス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%B8%B8%E6%80%A7%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9